胃がん


(1)胃の機能と構造
胃は胃袋ともいわれ、食べ物を胃液とかきまぜ、十二指腸へ送り出します。胃液はほとんどが塩酸で、消化酵素はわずかしか含まれていません。 胃液の役割は、主として食べ物をどろどろの粥状にすることです。
栄養の消化吸収は主に十二指腸以下の小腸が行います。 また、身体にとって欠かせないビタミンB12の吸収に必要なキャッスル内因子と呼ばれる物質は胃からのみ分泌されます。 胃のしくみは大きく分けると、食道からの入口部分である噴門部(ふんもんぶ)、胃の中心部分である体部、十二指腸側への出口部分の幽門部(ゆうもんぶ)になります。 また、胃の壁は5つの層に分かれており、最内層が胃液や粘液を分泌する粘膜、中心が胃の動きを担当する筋肉、最外層は臓器全体を包む薄い膜で漿膜(しょうまく)と呼ばれます。

(2)胃がんの原因と予防
胃がんは、粘膜内の分泌細胞や、分泌液の導管にあたる部分の細胞から発生します。 胃炎などの(炎症)の後、胃粘膜は腸の粘膜に似た腸上皮化生と呼ばれる粘膜に置き換わりますが、その粘膜はがん化しやすいといわれています。 慢性胃炎のすべての要因は胃がんの原因といえます。 食物では塩分の多いものが最も悪いといわれています。 また、たばこが胃がんの原因になることも明らかになっています。 最近、胃の中に住み着くヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌が胃がんの原因のひとつになっていることがわかってきました。 この菌は50歳以上の日本人の8割がもっています。
反対に、ビタミンCやカロチノイド類を多く含む生野菜や果物を多く食べる人に胃がんが少ないことがわかってきました。
いずれにしても、これらさまざまな原因から胃の細胞の遺伝子にたくさんの傷がついてがんが発生するといわれています。また、遺伝子の傷を自分の力で修復する力の劣った家系があり、その家系では胃がんや大腸がんが多く発生する場合があります。親兄弟、親の兄弟などに胃がんが多い家系は危険が高いといえるでしょう。



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